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虚血性心疾患(ischemic heart disease)
 心筋に対する酸素供給が、心筋が必要とする酸素の需要を満たすことができないために生じる、一連の心疾患を虚血性心疾患と呼びます。心筋に対する酸素不足が一時的なもので、酸素不足状態から酸素が満たされた状態まで戻ることができる場合を狭心症、酸素不足状態が高度で心筋に壊死が生じた状態を心筋梗塞といいます。

狭心症の分類
 狭心症は、その発生状況に基づいて分類すると「労作狭心症」と「安静狭心症」に、またその病期により「不安定狭心症」と「安定狭心症」に分類することができます。
労作狭心症は、労働を行った際などに心筋への酸素需要が増加する場合に起こるものです。一方、先行する心筋に対する酸素需要の増加がない場合に生じる狭心症が安静狭心症です。

狭心症・心筋梗塞の症状
 胸の中央の胸骨の下あたりが痛み、冷や汗がでるほどの激痛が走ります。また左の肩腕に痛みがひびくこともあります。痛みが激しく、15分以上発作が続く場合には心筋梗塞で、急を要します。

気象状態と狭心症の関係
 狭心症が冬に多いことはよく知られています。そのなかでも、冷たい風に向かっての歩行などは、狭心症発作の誘因となることが最も多いので注意が必要です。これは、寒いときには安静時の血圧は上昇しており、同じ程度の作業を行った場合における血圧の上昇度も常温における上昇度より大きくなることによります。この血圧の上昇は、低温による末梢血管の反射性収縮によるものであり、これにより心筋への酸素需要の増大を伴い、狭心症発作の誘因となるものです。
 寒冷地における雪かきなどの作業は、狭心症発作の誘因になりやすいものです。中年以降、高血圧、糖尿病、喫煙者、高脂血症、心筋梗塞の家族歴がある人は、特に寒冷下での労働は避けたほうが安全であるといえます。一方、高温・高湿によってもしばしば狭心症発作が誘発されることがあります。これはこのような気象状態での心拍数増加が誘因と考えられます。